テレビで見た

地球を脱出

『奇跡の星』(Eテレ)「地球からの脱出」(前・後)を見た。
かつて小惑星の衝突によって多くの生物が滅亡した。同様の衝突が再び地球を襲うかもしれない。仮に、地球を脱出して別の星に移住しようとした場合、人類は地球との絆を断ち切り、技術的、生物的、精神的な極限状態に耐えられるのか?2回シリーズで検証したものだ。

前編は、移住する際にどうしても地球から持っていかなければならないものと、持っていこうにも持っていけないものを引き合いに出して構成されている。

地球から持っていかなければならないもののとして例に挙げられたのは、人の微生物叢たる細菌である。例えばカブトガニの血液成分は細胞と接触すると酵素を作り、競技用のプールから一粒の砂糖を見つけ出すほどの精度で汚染を検知できるという。

現在、宇宙飛行士は宇宙船に乗り組む寸前に体中をアルコールで除菌するが、それは汚染検知の細胞まで除去してしまうことにもなりかねない。
人の微生物叢は移住の際に必ず持っていかなければならないものだ。

持っていこうにも持っていけないものがある。
重力だ。
人体は重力がある地球環境に適応してできている。無重力状態になると体液の大移動が起こり、結果吐き気を催すことになる。
宇宙飛行士はほとんどこうした経験を持っていると初めて知った。

心臓の大きさや心臓血管系の配置は重力で決まった。骨格や筋力の強さも、すべて重力が形作ったのだ。

地球上では常に重量挙げをしているような状態だという。重力に抗っているわけだ。
無重力状態ではその状態から解放される。すると、筋肉や骨が衰えてくるという。宇宙飛行士クリス・ハルフィールドは、船内で最新鋭機器で体を鍛えていたにも関わらず、166日間の滞在期間だけで、腰から太ももまでの骨密度が8%も減少してしまったという。

移住に際して、持っていくべきものや、持っていきたくても持っていけないものを検証することの重要性が自覚できた。
人類の宇宙の脱出などと大仰な話ではない。自分は現在、都会からの脱出を検討し始めている。
宇宙脱出に細菌や重力に対する検証が必要だったとは全く気付かなかった。
都会からの脱出にもどこに見落としがあるかわからないとのい教訓だろう。移住を検討するにも、独善に陥らず、あらゆる角度からの検証が必要なんだと実感できた、いい番組だった。