テレビで見た

橋下氏と楽隠居

橋下徹氏が出演ということで、昨夜の「報道1930」(BS TBS)を見た。
彼がまとまった発言をする時間を、たっぷり取ってくれる番組は、そう多くはないので楽しみにしていた。

桜を見る会で問題となった公文書の保存に関する見解や、小泉進次郎大臣に対する評価とか、橋下氏の発言は相変わらず歯切れがよくて、胸がすくような番組だった。

あるべき理想を表明する。
理想と現実との距離を埋めるための工程を、ロードマップとして提示する。
実施に関する手続きを明示する。
関連する行政や専門家に、実務を委ねる。
これらの一連のプロセスはすべてオープンにされ、 進捗状況は、だれでもが検証できる形で公開する。

箇条書きにすれば、ごく当たり前に見えるが、実際にこのように進めていくのは極めて難しい。これは、自らが最終責任者として、旗を振って取り組んだ経験がある者でなければ、分からないだろう。

橋下徹氏の出現は衝撃的だった。「大阪都構想」というあるべき姿を提示し、賛否を問う住民投票にまでこぎつけた手腕は実に見事だった。
否決されたその年に政界を引退した。当時、彼のやり切った感と脱力感は、自分のことのように共感できた。

私人となって以降の橋下氏は、のびのびイキイキしている。
いい具合に隠居生活を楽しんでいるように見える。この心地よさを味わったら、決して政界復帰なんかするはずはないと思うし、それでいいと思う。

政治家が、自らの政治理念に基づいて、本気で理想を実現しようとしたら、ある期間に集中的に完全燃焼するしかないのだ。
知力、体力、経験が最も充実し、生命力がピークにある数年間が、勝負である。
結果がどうあれ、その勝負が終わったらそこまでで身を引くのが良い。

政治も経営も同じだ。生命力がピークを越えたら速やかに、これから生命力のピークを迎える次世代にバトンタッチをするのが賢明だ。
もちろん、序の口経営者の後を引き継ごうなんて若者はいるはずはないし、いてもらっても困るんだけどね。