日々の暮らしから

歯医者に行く

毎月1回、歯科医院に通っている。
治療のためではない。メンテナンスするためである。もともと歯はいいほうではない。20代の時に虫歯になったとき、レントゲンを撮ったことがある。

「歯が、歯茎に埋まっている部分が人よりも浅いので、油断するとすぐ歯槽膿漏になって、ちょっと歯茎が後退しただけで歯が抜けちゃうよ。」
そう歯医者に脅されてからは、歯磨きをしっかりして口内環境には気を付けているつもりだ。
それでも年に1度くらいの割合で不具合を生じ、歯医者に通うことになる。

2年ほど前にもどこかの歯が痛くなり治療に数回通った。上下の歯垢掃除も済ませたので、これまでならば治療は終了のはずだ。しかし、1か月後にまた来院するようにと促された。

数年前に、東北地方で(具体的な地名地名は失念)虫歯罹患者の数が極端に少ない地域があり、その真相を明らかにする番組をテレビで見た。その地域のある歯科医院では、予防歯科の普及に力を入れているのだ。住民は大人も子供も、定期的にメンテナンスのためにこぞって歯医者を訪れる。

風邪や外傷と違って、虫歯は決して自然治癒しない。だから虫歯の治療よりも、虫歯にしない予防歯科こそが重要だ、との院長の信念に基づいて、その歯科医院は地道に啓蒙活動をしてきたとのこと。自治体の協力も得て、虫歯率が全国一少ない地域を続けているとの内容だった。

番組の記憶が頭の片隅にあったので、歯科衛生士の勧めをすんなり受け入れることにした。
翌月行ってみると、歯科衛生士に歯全体をチェックされた。
「特に問題はないですね。」とのことで、1か月分の歯垢を取り除くとメンテナンスは終了した。
以来、今日までの約2年間、虫歯でなくても歯科医院通いを続けている。

今でもたまに歯茎が沁みたり、詰め物が取れたりといった小さなトラブルは起こる。しかし、抜歯したり、何回も治療に通うような事態には至っていない。
禁煙と同じで、慣れてしまえば通院もちっとも苦労ではないし、毎回歯科医院を後にするときに感じるすっきり感は、なかなかに捨てがたいものなんである。