読んだ本

『わけあって絶滅しました』

生まれたものは必ず死ぬ。
小は細菌から大は宇宙まで、寿命の長短は様々ではあるが、とにかく無限に生き続けるものは何一つない。個々の生命はもちろんだが、一塊の「種族」もまた同様である。絶滅を免れることはできない。

『わけあって絶滅しました』(丸山貴史著 ダイヤモンド社)は、かつて存在しながら、絶滅してしまった生物が、なぜ絶滅してしまったかのを、その理由ごとにグループ分けして解説している。
漢字にすべてルビが振ってあるように、子供向けに書かれた本であるが、大人が読んでも十分に楽しめる。

冒頭で、生物が絶滅する3つの大きな原因を挙げている。
最も大きなものは、地球環境の変化である。火山の爆発、隕石の落下、氷河期など、抗いようのない環境変化は、容赦なく生物を絶滅に追い込む。
2番目に多いのは、ライバルが出現し、生存競争に敗れて絶滅させられてしまう例だ。
3番目は、我々人間のふるまいによって絶滅を余儀なくされてしまった事例だ。人間たちは、これまで森林伐採や乱獲によって、多くの生物を絶滅させてきただけでなく、二酸化炭素排出などによって地球環境の温暖化を進め、自らを含む多くの生物を絶滅の危機に追い込んでいる。

本書は、絶滅してしまった生物を、絶滅原因の性格によってさらにグループ分けしたうえで、順に並べてある。
「油断して、絶滅」「やりすぎて、絶滅」「不器用で、絶滅」「不運にも、絶滅」の4分類である。

これまでに消滅した数多の企業も、「油断」「やりすぎ」「不器用」「不運」のいずれかの理由に、分類することが可能である。

本書では、最終章に「消滅しそうで、してない」生物を紹介している。
水にもぐって助かった・・・カモノハシ。深海に迷い込んで助かった・・・シーラカンス。気づいたらべつの場所にいて助かった・・・クニマス。
オウムガイは「やる気がなくて助かった」し、オポッサムは「進化がおそくて助かった」とある。

絶滅生き延びているといっても、何かの信念や戦略に基づいて、計算通りに生き延びてきたわけではない。
単に運がよかっただけってのことなのだ。

生あるものは必ず死ぬ。
しくじれば寿命を全うできずに、死を早めてしまうことはあるが、どんな手段を講じたとしても、死を回避することはできないのだ。
神様の気まぐれで幸運に恵まれ、長生きができるものもあるが、それだって永遠の命まで授かれるわけではないのだ。


わけあって絶滅しました。 世界一おもしろい絶滅したいきもの図鑑