グルメ

スーパーを評価してみた

人に個性があるように、企業にも社風や企業風土がある。

同業他社が提供するサービスの具体な中身を比較すると、理念や企業風土が透かし見えるものだ。
リスティング広告でGoogleアドワーズ(現Google 広告)とYahoo! のオーバーチュア(現 Yahoo!スポンサードサーチ広告 )とを両方利用していた時につくづく感じたことがある。

Googleアドワーズがサービスの利用者(つまりうちの会社)目線で使い勝手が組み立てられているのに対して、オーバーチュアは管理側(Yahoo! )が管理上処理しやすいことを目指してシステム構築しているようにしばしば実感した。

少なくとも、問い合わせに対する回答スピードやイレギュラーな事態における対応のスタンスにおいては、Googleが圧倒的によかった。対照的にYahoo!のお役所仕事的な冷たい対応には、しばしば泣かされたものだ。

さすが「邪悪でない」ことを掲げたGoogleだけのことはあるなあ、それに比べてYahoo! は自社都合優先かよ、とよく毒づいたものだ。

もう5年以上前の話で、名称も変わってからは利用したことが無いので、現在については評論する立場にない。

自宅周辺で比較的よく利用するスーパーが5店ある。いずれも自転車なら5分以内にたどり着けるので、状況に応じて使い分けている。

一番近いのはマルエツプチ。
何しろ近い。買い忘れ品を思い出したとき、駆け込むのに便利である。生鮮品、特に青果の品質が良いのもうれしい。思い切った特価品に遭遇できることも。
レジには高校生のバイトも多用。初々しくていい。

しかし、小型店のため、いかんせん品揃えが少ない。あれこれ選ぶ買い物のだいご味を求めるのは酷か。

次に近いのはフードストアかみもと。
ほぼ個人事業に近いスーパーで、広さはマルエツプチくらい。野菜や目玉品の安さはぴか一。ただし、野菜は2級品。肉はかなり古いものまで並んでおり、購入したことはない。箱詰めそうめん3000円が980円( 中元の売れ残りだろう。)など、バッタ品が並ぶことも個人事業ならではの楽しさである。

かみもとには、夕食のおかずの主力を魚と決めたときには迷わず行く。
テナントとして入っているらしい鮮魚店には、チェーン店ではまず見られない魚が並ぶことがあるからだ。小学校の給食以来のクジラの竜田揚げ。ミニホタテの味噌汁は、いずれもこの店で思いついた。ニシンの刺身を見かけたときにも、迷わず購入!
ニシンの刺身は十数年前、招待された料理屋でおいしさに感激して以来、また食べたいと思っていた。2度目はなかなかやってこなかったのだが、まさか地元の小スーパーで出会えるとは思わなかった。

次に近いのはピーコックストア。
オープン時から利用している。一言でいえば高級スーパー。ちくわぶがどこにあるか店員に聞いたら「ちくわぶって何ですか?」と聞き返された。さすがは関西系と妙な関心をしたものだ。指摘が多かったのか、ちくわぶは普通に並ぶようになった。
品物はいいし、これでもかという高級品も売っていた。ヤガラなんてマニアックな魚が、丸々一匹並んでいるかと思えば、最高級限定品、一番搾りとかいうメイプルシロップを見かけたこともある。ボトルにナンバリングがされており、4000円近かったと記憶している。 あれより高いメイプルシロップにはお目にかかったことが無い。

レジにはベテランのおばさんがいて、「これより別の方が安くておいしいよ」などと言って、こちらが選んだ商品をはねて、お勧めの方を自分で取りに行ってくれたりした。おせっかいなんだけど、それが実に的確なもんだから、信頼がおけた。わざわざそのおばさんのレジに並ぶファンが多かった。

が、しかしイオンに買収されてしまった。売り場も改装され、従業員も徐々に入れ替わり、間もなくおばさんもいなくなってしまった。ありきたりのイオンに確実に近づいている。

次に近いのはサミット。
近所のうるさ型からも、安くていいとの声をよく聞く。駅近くにあるので、外出帰りに立ち寄ることが多い。
ビンゴデイとかポイント10倍など、連日、話題作りには余念がない。店長以下、現場の従業員一同があらゆる工夫を凝らしているのがひしひしと伝わってくる。
マイクを持った店員が、売り場で叫んでいることもある。促されて、安売りコーナーに引き寄せられる。

がしかし、である。
サミットは、実はなかなか底意地が悪いというか、安い安い詐欺というか、値札戦略が小狡いんである。4割引き!大書されたポップの下にはステーキやら豚バラとかが並ぶ。ただ、値札をよく眺め、100グラム当たりの金額を4割引きで計算し直してみると、あれれ、である。
期待したほど安くはないんである。ポイント10倍とまくし立てている日には、目玉商品はほとんどないし、何より、支払いをクレジットカードにするとサミットカードのポイントがつかない。泣く泣く現金払いを選ぶことになるのだ。
毎日目先を変えられているだけのこと。本部が決めた価格にきちんと着地するよう、周到に計算されているのが、利用すればするほど見えてきた。

本業で、サミット本社で商談をしたことがある。担当者の対応は一様に硬い。権限の幅が他社より限定されているから、融通が利かずに苦労した。減点主義の保守的な社風なんだなあ、とがっかりした覚えがある。

最後は西友。
サミットとは駅を挟んで反対側にある。近所では規模が一番大きく、衣料品や電気製品までの取り扱いがあるGMSってやつだ。ウォルマートの傘下に入ってから、店は改装されてきれいになった。
巨大企業のバイイングパワーをいかんなく発揮。力任せのエブリデーロープライスを実現して、ライバル店にも真っ向勝負を挑んでいる。どの商品も通常価格そのものが安く、他店より高けりゃ安くしますって余裕しゃくしゃく。そりゃあ勝つよな。

まあ安いことに文句を言っても仕方がない。ただ、あえて文句をつけるとすれば、鮮魚売り場に魅力がない。刺身はありきたりで目を引かないし(実際、あまりおいしくない)、切身にも勢いがなくて鮮度を感じない。赤魚やメカジキの冷凍品をたまに買うくらいかな。
そういえば西友の売却話はどうなったんだろう。まあ、中途半端に切り売りされるくらいなら、このままの方がありがたい。

マルエツプチは山椒は小粒でピリリと辛い。
カミモトは突出した個性で存在感を示している。
ピーコックはイオン化を進めて、どこにでもある、ありきたりな没個性店になっていずれは店名もイオンにしてしまうかも。
サミットは規模での劣勢や本社の旧弊を現場の従業員一人一人の頑張りで対抗していくんだろう。
西友は金持ちだけど、足元に火が付けばいつでも撤退してしまうんだろう。

近所にもやたら増えた、まいばすけっとについて。
今日触れた5店のスーパーをぐるりと線で結んだとき、その間にまいばすけっとが数店ある。なんの魅力も感じないから、ほとんど利用することはない。
ただ都内を中心に店舗数はガンガン増やしている。1000店に届くのも時間の問題だろう。
スーパーとしてのクオリティや魅力が不足していることは百も承知の上だろう。そこに手間暇をかけるよりも、今は数を増やすことが先決なのだと思う。

資金力に物を言わせて、東京の地図にまいばすけっとで黄色いピンを打ち続けていくのである。遠からず、地図はイオンの黄色で塗りつぶされてしまうだろう。
出店場所を探す開発要員の合言葉は
「アイスクリームの溶けない距離に出そう!」
だそう。イオンは都内全域どこにも、あらゆる商品やサービスを徒歩で届けられる物流拠点を確保してしまうのだ。
だが、その話はまた、別の日に。