テレビで見た

2匹目のどじょう

あやうく「おっさんずラブ」を見逃すところだった。
ラグビーワールドカップが終わったというのに、外出しての打ち合わせが重なり、テレビの視聴時間が少なくなったせいであろう。録画番組がすごい勢いで増えている。
真剣に録画番組をこなさないと、いつまでたっても追いつけない。
仕事なんかしている場合じゃないのだ。もっとセーブなければ。

それにしても「おっさんずラブ」は期待を裏切らない。冒頭から一気に引き込まれた。男同士の三角関係ですさまじい恋愛バトルが繰り広げられそうだ。
今クールのキーワードは、柳の下にどじょうは何匹までいるか?だと思うが、今のところどのシリーズもまだまだ次のどじょうが狙えそうな勢いだ。

人が行きつけの飲食店で頼むものは、たいていいつも同じで、他のメニューを試すことはめったにない。
よく言われることであるが、視聴するドラマもまた同じだ。

キノコやふぐなど、未知の食物への挑戦には命を危険にさらすリスクが伴う。いつもと違う道を選べば、天敵が待ち構えているかもしれない。
動物としての本能は、通いなれた道を選ぶようにできているものだ。

しかし、好奇心や功名心など、悪魔の囁きによって未知への挑戦をそそのかされ、だれもが通らなかった道に迷い込むものもまた多い。
確かに、突破者が新しい道を切り開くことで、人類は進歩し、新たな可能性を広げてきた。

しかし、多くの場合は悲惨な失敗に終わる。
毒キノコにあたってあえなく命を落としたり、獲物を待ち構えていた天敵の餌食となってしまったり。

その段階であきらめて、素直に地獄に落ちればそれでよし。失敗の経験は子孫への教訓として次世代に受け継がれていく。
ところが失敗を認めず、その場を離れずにしがみついていると、生者でも死者でもないゾンビとなってしまう。そして永遠に生死のあわいをさまようことになるのだ。

胸を張って表通りを歩くことも、潔く廃業することもできない序の口経営者は、まさにゾンビである。
怯懦から、自らピリオドを打つことはできない。病気や災害など、他者によって息の根を止められることをひそかに待ち焦がれるのばかりなのである。